「働くことを学ぶ」って?ーデザイン講座よりー

今日の様子

コスモ高等部の学びのフィールドは、小さな教室だけではありません。

私たちNPO法人文化学習協同ネットワークでは、フリースクールの他にも、20代30代の若者たちが「働きながら働くことを学ぶ場」として、コミュニティ・ベーカリーや農場、ICT工房を運営しています。

それらを活用して、どんな学びを一緒につくっていけるでしょうか。

昨年度は、コミュニティ・ベーカリー「風のすみか」を拠点にした販売プロジェクトが立ち上がりました。そして、今年度は、デザインや組版を仕事にする「DTPユースラボ」のスタッフによるデザイン講座を実施しています。

前期のデザイン講座は、「レタリング」をテーマに、毎週一回の全9回。選んだ基本書体に合わせて自分の姓名をフリーハンドで書き起こしていく作業に取り組みました。

見本となる書体をじっくり見ること、フリーハンドで形を再現していくこと、全体を見て修正していくこと、初めて使う道具と格闘すること…

作業中、「え、あ、ここが~、そうそう」と文字通り、作品と「対話」しながら取り組むメンバーも。

合間には、今回講師を担当してくれたデザイナーの中村孝太郎さんが、これまでの制作歴や生き方を話してくれたり、メンバーたちの共通の趣味である映画の話が広がったり、やるべき作業に取り組みながらもその場その場で活動が広がっていくおもしろさもありました。

高校生年代は、生き方としての「進路」を拓いていく時期ですが、限られた生活圏と一部のネットの情報の中では、「一体どう生きていったらいいの?」と戸惑い、立ちすくんでしまうことも。

「やりたいことなんてない」「先が見えない」

そんな若者たちの「いま」を受けとめながら、「働くこと」「生きること」へのイメージをどう豊かに広げていくことができるでしょうか。

私たちは、デザイン講座のような「手ざわりのある」具体的な体験や、こうありたいという身近なモデルとの出会いを大事にしたいと思っています。

今回は参加していなくても、そこに参加したメンバーの様子を見聞きしながら、また次回の講座に、あるいは別の企画に参加しようと思うかもしれません。また、途中で参加をやめたメンバーもいますが、学校のように「全員がやらなきゃいけないもの」ではない中で、新しいことを始めたり中断したりする中で、今の自分は何を大事にするのか、葛藤も生まれています。

後期に向けては、「既存のデザイン講座のような教科書的なレクチャーではもったいない。もっと根源的なものづくり、感性を培っていく体験になるといい」と中村さん。

12月から始まる後期のデザイン講座では何が生まれてくるのか、スタッフも未知の世界が広がっていくことにワクワクしています!

\ シェアしてね! ⁄

コスモ便り一覧

フリースクールコスモ高等部

まずはお気軽にご相談ください。